≪新刊立ち読み≫

MagSafe非対応でもホームボタンがなくても便利に使えるiPhone 16e

「できるfit ずっと使えるiPhone 16e」発売記念コラム 第3回

 iPhone 16eはもっともコスパに優れたAppleのスマートフォンといっても過言ではありません。そんなiPhone 16eの基本から新機能まで解説した新刊書籍『できるfit ずっと使えるiPhone 16e』が5月1日に発売されました。

 ここでは著者の一人を務める法林岳之氏が、ちょっと気になる(?)iPhone 16eのあれこれを解消する方法を解説!

MagSafe非対応が気になる! それならケースで解決!

 今年2月28日、アップルから「iPhone 16e」が発売された。iPhoneとしては2016年に発売された「iPhone SE(第1世代)」から続く、もっともリーズナブルの価格帯のモデルになる。2020年発売の「iPhone SE(第2世代)」や2022年発売の「iPhone SE(第3世代)」をはじめ、「iPhone 8」シリーズ以前のモデルから買い替える人も多いとされる。

 数年前からさまざまな予想が伝えられてきた普及価格帯のiPhoneだったが、いざフタを開けてみれば、2024年9月発売の「iPhone 16」をベースに、カメラやディスプレイの仕様をシンプルにすることでコストを抑えながら、今年4月から日本語対応がスタートしたアップルのAI機能「Apple Intelligence」に対応するなど、最新の機能もしっかりと活用できるように構成されている。

 とは言うものの、買い換えのユーザーにとってはちょっと引っかかる部分が少なくない。たとえば、「MagSafe」非対応もそのひとつ。改めて説明するまでもないけど、「MagSafe」はiPhoneの背面にマグネットでアクセサリーを固定したり、対応充電器で充電できる機能で、「iPhone 12」シリーズ以降のiPhoneが対応している。

 「iPhone SE」シリーズの3機種は非対応で、後継の「iPhone 16e」での対応が期待されていたものの、残念ながら非対応。ワイヤレス充電の「Qi」には対応しているのに……。

 ただ、「iPhone 16e」用として、MagSafe対応のケースが販売されているので、それを装着すれば、MagSafe対応の充電器に固定して充電したり、アクセサリーを背面に装着することは可能。

 充電速度は「iPhone 16」シリーズのMagSafe充電に比べ、少し遅くなるけど、クルマにMagSafe対応車載アダプターなどを付けておけば、すぐに固定できて、カーナビアプリも見やすくなる。

「iPhone 16e」でもMagSafe対応充電器で充電できる!
iPhone 16e」用の市販のケースには、こうしたMagSafe対応のリングを備えたものが数多く販売されている
筆者が利用しているUGREEN製のスタンド型MagSafe対応充電器を利用している。スタンドの足の部分では「AirPods」などのワイヤレス充電対応製品も同時に充電できる

ホームボタンがない? 設定を工夫して解決!

 次の『引っかかるところ』と言えば、やはり、「iPhone SE」シリーズにあったホームボタンがなくなったこと。正しくは「iPhone SE」シリーズというより、初代「iPhone」から「iPhone 8」シリーズ、「iPad」シリーズなどにも広く採用されてきたものだ。

 アプリを起動していてもとにかく中央のホームボタンを押せば、最初の画面(ホーム画面)に戻ることができるため、スマートフォンを使いはじめたばかりの人にとっては有用で、従来の「iPhone SE」シリーズがシニア/シルバー層に根強い人気を保っていた理由のひとつとも言われる。

 ホームボタンがなくなったことで、ホーム画面に戻るには「iPhone X」以降のモデルに採用されてきたジェスチャー操作が必要。すでに「iPhone X」以降のモデルを使っている人なら、もう慣れているだろうけど、「iPhone SE(第3世代)」などを利用してきた人はちょっと戸惑う点のひとつ。

 シニア/シルバー層のユーザーの中には、「上方向にスワイプ」という操作がちょっと慣れない人もいるかもしれない。

 基本的にはジェスチャー操作には慣れてもらうしかないけど、ひとつの対策として、左側面に備えられた「アクションボタン」を使う方法が挙げられる。アクションボタンはいろいろな機能を割り当てることができ、出荷時は「消音モード」が設定されているけど、[設定]アプリの[アクションボタン]で、[ショートカット]を選び、[ホーム画面へ移動]を設定する。

 こうしておくことで、アクションボタンを長押しすれば、いつでもホーム画面に戻ることができる。『長押し』が必須なのはちょっと面倒だけど、「上方向にスワイプ」を基本操作としながら、うまくいかないときはアクションボタンの長押しと覚えてもらえれば、シニア/シルバー層のユーザーにも馴染んでもらえるのではないかと……。

本体左側面のアクションボタンの動作は、[設定]アプリの[アクションボタン]から設定が可能
出荷時は[消音モード]が設定されているが、[ショートカット]を選び、下の[ショートカットを選択]をタップ
ショートカットを選ぶ画面が表示されるので、[マイショートカット]の[ホーム画面へ移動]を選ぶ
[ショートカット]に[ホーム画面へ移動]が設定された。これでアクションボタンの長押しで、すぐにホーム画面が表示可能

 このアクションボタンのショートカットを利用した操作は、ほかの機能にも利用できる。たとえば、各社が提供しているコード決済のアプリの起動にも便利だ。

 よくコンビニエンスストアのレジで、「えっと、アプリは……」なんてやっている人を見かけるけど、アクションボタンの長押しで、各社のコード決済のアプリを起動できるように設定しておけば、レジ前で焦ることもない。

ショートカットを選ぶ画面で、[開始]の[アプリを開く]を選ぶと、アプリの一覧画面が表示されるので、ここで[PayPay]などのコード決済アプリを選択
[ショートカット]に[PayPayを開く]が設定された。Face IDやパスコードなどで画面ロックを解除しない限り、起動されることはない

 「アクションボタンはほかの機能に割り当てておきたい」という人には、iPhoneのコントロールセンターにコード決済のアプリを登録しておくのもおすすめだ。

 設定方法は画面右上から下方向にスワイプして、コントロールセンターを表示。空いている部分をロングタップすると、編集モードに入ることができる。画面下段の[コントロールを追加]をタップすると、コントロールの選択画面が表示されるので、[ショートカット]の欄の[アプリを開く]をタップ。

 [アプリ]の右側に表示されている[選択]をタップして、起動したいアプリを選ぶと、コントロールセンターの下段にアプリのアイコンが追加される。コントロールセンターに表示されているアイコンは並べ替えができるので、アイコンをドラッグして、起動しやすい位置に移動しておくと便利だ。

コントロールセンターを表示し、空いているところをロングタップすると、コントロールセンターの編集モードに入るので、下段の[コントロールを追加]をタップ
コントロールを選ぶ画面が表示されるので、[ショートカット]の欄の[アプリを開く]をタップ
[アプリを開く]の画面で、[選択]をタップすると、アプリ一覧が表示されるので、起動したいアプリを選ぶ
無事に[PayPay]アプリがコントロールセンターに登録された。コントロールセンターは画面ロック状態からも起動できるが、アプリはロックが解除されない限り、起動されない
書誌情報
できるfit ずっと使えるiPhone 16e
  • 価格:1320円
  • 発売日:2025年5月1日
  • ページ数:256ページ
  • サイズ:A5判
  • 著者:法林岳之・石川 温・白根雅彦&できるシリーズ編集部
内容
  • 第1章 iPhone 16eがすぐ使える基本ワザ
  • 第2章 iPhoneに欠かせない! 超基本の設定ワザ
  • 第3章 知っておきたい! iPhone 16eの最新ワザ
  • 第4章 電話&メールで役立つ便利ワザ
  • 第5章 インターネットを自在に使う快適ワザ
  • 第6章 アプリをもっと使いこなす便利ワザ
  • 第7章 写真と動画が楽しくなる快適ワザ
  • 第8章 快適に使えるようになる設定ワザ
  • 第9章 疑問やトラブルに効く解決ワザ