みんなのケータイ

台湾だと「Pixel 9」のテザリングで5GHz帯域が使えて快適

【Pixel 9】

 COMPUTEX 2025の取材のため、5月18日~24日のスケジュールで台湾に滞在しました。その時に利用したホテルは、Wi-Fiを完備していたのですが、下りが5Mbps前後、上りが3Mbps前後とあまりにも遅く、全く使い物にならなかったのです。

COMPUTEX 2025取材のために台湾に1週間ほど滞在

 海外のホテルでは、Wi-Fiが遅いということはよくあることなので、多少想定はしていましたし、それに対する備えもしていました。それが、台湾到着時に空港で入手したSIMです。

今回利用したホテル。安宿ながら部屋はそんなに悪くなかったものの……
ホテルのWi-Fi、下りが5Mbps前後、上りが3Mbps前後と遅すぎて使い物にならない!

 今回は、中華電信の旅行者向けSIMを入手。5G対応と4G対応とがありますが、5G対応SIMはテザリング容量に上限があることと、今回はAhamo回線を用意していたこともあったので、テザリング容量に上限がなく、ホテルのWi-Fiが使い物にならなくても無制限でテザリングできるように4G対応SIMを選択していましたので、そちらがさっそく活躍することになったわけです。

台湾到着時に、中華電信の旅行者向けSIMを入手。7日間有効の4G対応SIMで、値段は500台湾元(約2,500円)

 ただ、ネット接続をこの4G SIMのテザリングでまかなうとしても、1つだけ気がかりなことがありました。それは、そのSIMを装着したPixel 9のテザリングの仕様です。

 Pixel 9では、日本国内だとテザリングしようとしても5GHz帯域の無線LANが使えずに、2.4GHz帯域または6GHz帯域の無線LANしか使えません。これは、日本の法令に基づいた措置で、日本では無線LANで利用できる5GHz帯域の一部が屋内での使用に限定されているためです。

Pixel 9のWi-Fiテザリングは、日本国内では5GHz帯域が利用できない

 また、6GHz帯域についても、なかなか使いづらい状況です。6GHz帯域の無線LANは、Wi-Fi 6EまたはWi-Fi 7でのみの対応ですが、実はWi-Fi 7に対応するPixel 9で6GHz帯域のテザリングを行おうとしても、PC側の問題をPCが接続できない場合があるのです。

 山田祥平氏の記事に詳しいのですが、実はIntel製Wi-Fiモジュールのドライバが原因で、Pixelで6GHz帯域でテザリングしても、Intel製Wi-Fiモジュールとは接続できないのです。

 私がメインで利用しているノートPCも、Intel製のWi-Fi 7対応モジュールを搭載していて、Pixel 9 Proで6GHz帯域のテザリングを有効にしても、全く接続できません。そのため、国内でPixel 9でテザリングする場合には、速度の遅い2.4GHz帯域を使うしかありません。

 せっかく無制限でテザリングできるのに、テザリングが遅い2.4GHz帯域だとなあ、と思っていたのですが、実際にPCをテザリングしたPixel 9に繋げて速度を計測してみると、上りこそ30Mbps程度でしたが、下りは180Mbps前後も出るじゃないですか。

 なんだかやたら速いなあと思ったのですが、そういえばここは日本じゃなく台湾だと思い出し、もしかして、とPixel 9のテザリング設定画面をチェックしてみたところ、有線周波数が「2.4/5GHz」になってるじゃないですか! もちろん、PC側のネットワークのプロパティを見ても、ちゃんと5GHz帯域で繋がってる!

テザリングで速度を計測してみると、下りが180Mbps前後、上りが30Mbps前後と思った以上に高速!
Pixel 9のテザリング設定画面を確かめると、テザリングで5GHz帯域が有効になっていることを確認
PCのネットワークプロパティでも、5GHz帯域で接続していることを確認

 日本のような法律上の制限がない台湾ですから、これは当然のことですが、2.4GHzでテザリングするしかないと思い込んでいたこともあって、とてもありがたかったですし、ホテルのWi-Fiを使うことなく快適に仕事をこなすことができました。同時に、Intelさんには、早く6GHz帯域の接続に関する問題を解消したドライバの提供を期待したいです。