スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

13インチiPad Pro(M4)が非常にお便利!! 俺的活用術を一挙ご紹介

 4月後半に買った13インチiPad Pro(M4)を思いのほか活用中の俺。後述するが、これまでAppleのメモアプリにあまり重要な情報を入れていなかったが、13インチiPad Pro(M4)購入を機に重要データもメモアプリに書き込むことにした。

 そうしたら13インチiPad Pro(M4)+Magic Keyboardがヤケに便利に使えるようになった。

13インチiPad Pro(M4)はApple Pencil Proでお絵描きする一方で、Magic Keyboardと組み合わせて文字入力が多発するアプリやメモアプリを活用することが非常に多くなった。iMassageやLINEもけっこう使うが、やはりハードウェアキーボードでタッチタイプして書けると、長々説明系のメッセージを書くもの容易だ。

 メモアプリには、けっこう多量のデータを書き込んでいる。たとえばログインIDとパスワード(独自の方法で暗号化)。Webサイトやアプリによっては定期的に強制ログアウトされたり、Appleのパスワードアプリ利用が不可だったりするが、そういうときにメモアプリ上のログインIDとパスワードをコピー&ペーストしてログインするような使い方だ。

 余談だが、俺の場合、2000年以前からのID/パスワードが多量にある。サービス自体がなくなったケースも多いが、ID/パスワードのセットが多量過ぎるので、2000年以前からのやりかた(テキストファイルに保存)を続けている。

 パスワードマネージャーアプリの使用を考えたこともあるが、ID/パスワードのセットがあまりにも多いので、移行しようとしても即挫折するのであった。

 さておき、IDとパスワードをコピー&ペーストしてログインするときに便利なのがMagic Keyboard。トラックパッドで文字列を選択してキーボードでコピーし、アプリを切り換えてペーストしてログインする。Macと同様の感覚で使えて便利。

 実際はアプリやWebサイトをフル画面表示し、メモアプリはSide Over表示にして使うことが多い。もちろんメモアプリのメモ全体から文字列などを検索できるので、メモでログイン先を検索すればすぐにログインIDとパスワードが得られる感じ。

メモアプリの使用例。フル画面表示はMidjourneyのWebサイトだが、あくまでも使用例。Side Overはフル画面表示アプリの上に小さいウィンドウで別アプリを表示する機能。小さいウィンドウは片付けたり表示したりできるほか、複数のウィンドウを開いておきそのなかからひとつを選ぶといった使い方もできる。

 俺の場合、トラックパッドよりもマウスのほうが使い慣れているので、13インチiPad Pro(M4)+Magic Keyboardの組合せに、さらにBluetoothマウスを追加することが多い。見た目はノートPCとワイヤレスマウスって感じ。

13インチiPad Pro(M4)+Magic Keyboard+Bluetoothマウスのセット。情報のブラウズだけならMacBookと同じような感覚で使える。

 それと、アプリ毎にキーボードショートカットが用意されていることが多い。WebブラウザのSafariだと覚えきれないほどたくさんのキーボードショートカットがあったりする。メモアプリでよく使う検索はoption+command+Fだが、キーボードショートカットでよく使う機能を呼び出すのは非常に快適。

 なお、アプリ毎のキーボードショートカットは、アプリがアクティブな状態でcommandキーを長押しすれば一覧が表示される。

commandキーの長押しでSafariのキーボードショートカット一覧を表示させた様子。

 といった感じで、キーボード(やBluetoothマウス)と併用すると、iPad上でのアプリ操作や情報検索を非常に効率良く行えるようになる。

 また、画面を指で操作する頻度が下がるので、画面に付着する指紋が少なくなって快適だったりもする。タッチパッドやマウスやApple Pencilで画面操作すれば、ほとんど画面が汚れなくなって気分がいい。

iCloudとBeeStationにデータを移行するほどに、13インチiPad Pro(M4)がツカエる存在に

 少々前述したが、これまでiCloudはあまり積極的に使っていなかった。「クラウド 消えた」などで検索すると、わりと大手のクラウドサービスであってもファイルが消えるなどするトラブルが起きているようだからだ。

 俺の場合、2015年くらいにAppleのメモアプリやiCloud写真(の昔のバージョン)を積極的に使い始めたと記憶しているが、メモアプリがほかのAppleデバイスとうまく同期しないことがあった。メモした記憶があるのに、そのメモの一部が消えたりした。なので、すぐにメモアプリは一時的にメモを取る程度の利用にとどめ、あまり使わなくなった。

 しかし、2018年くらいからはそういうトラブルを未経験。ならばもう少し本格的に使おうと考えて、メモアプリを積極的に使うようになった。そして重要なメモも増えていった。でも消えるようなトラブルは皆無。現在では非常に頼れるメモアプリ様って感じで使っている。

 だが、非常に重要な情報はわりと最近までMac Studio上にテキストファイルのカタチで保存していた。主にはIDとパスワードの類だ。

 余談だが、新たなアカウントを作った場合、最近ではAppleのパスワードアプリがより便利&見通しがよくなったので、パスワード生成はApple任せにすることが増えた(テキストファイルには記録せず)。

 さておき、テキストファイルにIDとパスワードと書いて保存しているのは、この方法でファイルや情報が消えたことを経験していないから。パスワードは独自の暗号化を施してテキストで書いてあるので、テキストファイルが盗まれてもパスワードが破られる可能性は非常に低いと考えている。

 でもぉ~、Mac Studio上だけにそういう重要な情報があるのってぇ~、とても不便~。iPhoneとかiPadでWebサイトやアプリからID/パスワード入力を要求されたらぁ~、いちいちぃ~、Mac Studio上のテキストファイルを開かないと駄目って超めんどくさぁ~い!

 でもまあここ5年くらいメモアプリのトラブルを経験していないので、そろそろMac Studio上のテキスト重要情報を、メモアプリに書き込んでしまえッ!!! と前のめりで重要情報取り扱いスタイルを刷新してみたら、これがまあ快適だし便利だしで、予想通りサイコーなのであった。

 単純に、メモアプリ上のメモは、iCloud経由で(同じApple IDでログインしている)各Appleデバイス上で共有できるからだ。iPhoneで新たにナニカのアカウントを作ったら、そのサービス/ID/パスワードなどをiPhoneのメモアプリに書いておけば、すぐにMacやiPadでもそのサービス/ID/パスワードなど利用できる。

 ただ、非常に重要な情報はたまにバックアップしないと不安。メモアプリにはいくつかのメモ書き出し/バックアップ方法があるので、俺的に使いやすい方法でバックアップを行っている。

 もうひとつ、BeeStationというNAS(ナス/Network Attached Storage/LAN経由でPCに接続するストレージ)を使っているが、これがイイ感じ。自前のクラウドとしても利用でき、モバイル回線からアクセスできる。iCloudなどのクラウドほど高速ではないが、各Appleデバイスから容易にアクセスできる。

黒い箱がSynology「BeeStation」。4TBのHDDを搭載する「パーソナルクラウド」だ。
専用アプリでどこからでもBeeStation内のファイルを扱える。もちろん、AppleのファイルアプリとBeeStationでファイルのやり取りができる。

 BeeStationの利便は上記リンクにてレビューしているが、俺的に嬉しいのはAppleの「Live Photos」のバックアップに対応している点。

 Live Photosは動画+静止画の形式で保存される画像で、特定のiPhone/iPadで撮影でき、写真アプリに保存される。だが、これを写真アプリから外に書き出すと動画部分が消えてしまう。

 しかし、BeeStationで写真アプリのバックアップを取ると、Live Photosと同じファイルがバックアップされる。バックアップした写真はBeeStationのBeePhotosアプリ(写真のバックアップを表示するアプリ)でLive Photosとして再生できる。

 また、バックアップしたLive PhotosをiPhone/iPadに書き戻すこともでき、iPhone/iPad上でLive Photosとして再生できる。ナニゲに凄い。

BeeStationにバックアップされたLive Photos画像。
1枚表示にして画面を長押しすると動画が表示される。

 ちなみに、BeeStationは外部HDDなどに丸ごとバックアップを取ることもできる。その方法も簡単だったりする。

クラウドでのやり取りがメインになっている

 一昔前はメディアに納入する原稿や写真は、Zipしてまとめ、メールに添付して送っていた。だがコロナ禍以前くらいからだろうか、扱う画像が大きくなったりして、メールでの送付が限界になったりした。なので、その頃からクラウド経由でやり取りするようになった。

 メディアによってはGoogle Driveでファイル共有したり、人によっては無料のクラウドストレージを使ったりしている。ただ、俺の場合は前述のBeeStationにメディアのフォルダを作り、その中に原稿や写真を入れ、フォルダごと共有する(URLを発行する)という使い方が多い。

 BeeStationは、ダウンロードする側からしたらクラウドへの接続が速くはない。とは言ってもたいてい10~20秒くらいで接続でき、ダウンロードが遅いわけでもないので、実用レベルだと思う。

BeeStationへは、専用アプリやWebブラウザでアクセスできる。PCからローカルドライブ(LAN接続)として扱うこともできる。ファイルをBeeStationへコピーするわけだが、クラウドにアップロードしていると捉えると、爆速アップロードという感覚で使える。

 ところで、クラウド上に仕事で共有するファイルがあると、やはり便利。俺の場合は13インチiPad Pro(M4)などAppleデバイスで、たびたび仕事で共有するファイルを確認している。

 具体的には「あれ? 納品した写真(or原稿)、アレで良かったんだっけ?」的に気になったりしたとき、原稿や写真がMac上だけにしかない場合、Macを起動して確認する必要がある。ちょっと面倒。「明日でいいや~」とかにもなりがち。

 しかし原稿や写真をクラウドに上げて共有していれば、手近なAppleデバイスとかですぐに確認できる。そして「あぁそうだ撮り直した(書き直した)んだった、ホッ」もしくは「やっべ、撮り直し(書き直し)だぁ~」と物事がひとつ進むというわけだ。

 俺の場合、そういった確認は、13インチiPad Pro(M4)でもiPad miniでもiPhoneでも行う。手近にAppleデバイスがあることが大半なので、状況によってデバイスが変わるだけだ。

クラウド移行の途上、しかしローカルのストレージも残るかも

 やや頻繁に閲覧したい情報はクラウド(iCloudや前述のBeeStation)に保存している。というか、近い将来には保存してあるファイルは全部クラウドに上げちゃおうかニャとか緩く考えており、現在クラウド移行の途上って感じ。

 理由は、俺的環境だとクラウドに対するファイルのアップロード/ダウンロードがまずまず速いので、ローカルストレージに保存しておかなくてもいいかな、と。また、災害時など、俺の仕事場よりたぶんずっと安全な商用クラウドのほうが安全だろうな、というものある。

 ただ、「全部」は無理があるかもしれないとも思っている。ひとつは費用の問題。俺のファイル全部となると、3TBくらいあるので、iCloud+だと6TBプラン(月額4500円)が必要になる。コストちょっと高め。ただ保管しているだけのファイルもあるので、そういうファイルまで無理にクラウドに上げるのって……どうなの? とも。

 もうひとつ、全部クラウドに上げちゃうと、俺的ネットワークもしくはクラウド側に不具合が生じた場合、どうにもならない。まあクラウドに上げた全ファイルのコピーを手元にも保管すればいいとも言えるが。

 それと、クラウドに全部上げればいつでもどこでもどの端末でも仕事などができる。だがしかし、俺の場合は仕事は自宅の仕事場でする必要があったりする。それは、使い慣れたディスプレイ、キーボード、マウスで効率的に仕事をしたいからだ。

使い慣れた仕事機材。

 とくにディスプレイのDell「U4021QW」は必須。いやマウスもキーボードも必須なんだが、この約40インチの曲面ディスプレイ(解像度5120×2160ドット)がないと無理。

 13インチiPad Pro(M4)を買ってから、iPadで何度か原稿を書いてみた。上の写真のマウスやキーボードをつないで書いてみると、入力自体はまずまず快適だが、「原稿を書く」という作業はできなかった。

 その理由は、約40インチの曲面ディスプレイと13インチタブレットだと、同時に表示できる情報の量が全然違うのだ。圧倒的な差がある。

13インチiPad Pro(M4)と約40インチの曲面ディスプレイを比べると、圧倒的なほどの情報量の差がある。約40インチの曲面ディスプレイは、13インチiPad Pro(M4)の7~8倍の情報が表示されているかもしれない。

 約40インチの曲面ディスプレイなら、製品Webサイトと仕様PDFを同時に表示しつつテキストエディタも表示して、翻訳アプリなどAI系アプリのウィンドウも見える状態で利用できる。視線移動だけで各情報を扱えるが、タブレットだとそーゆーのは全然無理。

 なので、無理して全ファイルをクラウドに上げて「これで、いつでもどこでも仕事も遊びもできまくりだゼっ!!!」と鼻息を荒くしてみても、「ヴヴヴ~む、やっぱ、仕事は仕事場ってことか」的なオチがつくと予想される。

 ……やや頻繁に閲覧したい情報だけをクラウドに上げるというスタンスが、やはり現実的なのかもしれない。

 以前は「13インチiPad Pro(M4)のようなタブレットがPCの役割を吸収していくのかも?」と緩く妄想していたが、俺的スタンス&感覚では「いつまで経ってもタブレットとPCは全然違うなぁ」と感じている。まあこれは使い方次第ではある。

 たとえばWebサイトを閲覧・利用したり、SNS系アプリを使ったり、動画やマンガを読んだりするなら、タブレットでもPCでも同じように使える。タブレットのほうが携帯性などにおいて快適かもしれない。

 あと、ひとつのアプリを使って、頭のなかにあるアレコレを可視化していくような使い方において、タブレットは実用的だと感じる。単純なところでイラストなどの作成。資料をたくさんは参照しないでのテキスト作成とかにも向くと思う。

 一方で、いくつかのアプリを使って情報を扱い、それをまとめ上げて提出したり発信したりするにおいて、タブレットだと無理があると感じられる。前述のように一度に表示できる情報量に限界があるので、ウィンドウ切り替えを頻繁に行う必要があり、またそれを素早くできるわけではないからだ。

 も~しかしたらあるのかもしれないが、タブレットではmacOSのMission Controlのように素早く使える仮想デスクトップがないと思われる。なので、やはりPCのように異なる種類の情報をまとめ上げていく作業において、タブレットは使いにくいと思う。

 まあ、俺的なスタンス&感覚での話だが。

 ともあれ、けっこうしっかりと13インチiPad Pro(M4)を使い込んでみて、「タブレットはタブレットだなあ」と。一方で「タブレットは特定分野でPCの代替になる」と思った次第。でも13インチiPad Pro(M4)は非常に便利なので今後もガシガシ使ってゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。