スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

約6万円! でも実用性めちゃ高なiPad Pro(M4)用Magic Keyboard

 今年の4月後半に買った「13インチiPad Pro(M4)」。購入前はお絵描き端末として使おうと考えていた。だが、よく考えてみたら、たぶんキーボードも使うだろう、と。結局は「13インチiPad Pro(M4)用Magic Keyboard」も買ったのであった。

13インチiPad Pro(M4)用Magic Keyboardは、13インチiPad Pro (M4)とマグネットで合体するキーボード。電源は13インチiPad Pro (M4)から供給される。

 13インチサイズでiPad Pro用。お値段は5万9800円。た~っか!

 13インチiPad Pro(M4)は21万8800円だったので、このMagic Keyboardと合わせると、27万8600円。たぁ~っかっ!

 だがしかし、支払いに「ペイディ(paidy)あと払いプランApple専用」を使い、12回払いとしたので、毎月2万3216円の支払い。分割手数料0%でズギャッとキメた。

 Magic Keyboardを買った理由は、MacなどAppleデバイスの環境を変更したので、13インチiPad Pro(M4)でもテキストをけっこう入力すると予想されたから。原稿を13インチiPad Pro(M4)で書こうとは考えていない。原稿はアプリの関係上、ほぼMac Studioで書いていて、たまにM3 MacBook Air 13インチで書くことはある。

13インチiPad Pro(M4)とMagic Keyboardを合体させた様子。トラックパッド付きのノートPC的に使える。というか、MacBookっぽい使用感になる。
閉じた様子。厚さは14mm程度。ただし1.4kg近いのでけっこう重い。なお、けっこうピッタリ閉じ、ヒンジのシッカリ感も強いので、閉じたときの安定感・安心感はあるものの、開くときに爪を使うことになりがち。ネイルカラーを塗っている人の場合、爪がiPadやキーボードのエッジにガリッと当たってカラーが落ちる、かも?

 13インチiPad Pro(M4)でのテキスト入力は、メールとかSNSアプリとか、あるいは長めのメモ書きとか。さらにメモの検索なんかも行い、データの参照をするので、大画面の13インチiPad Pro(M4)+しっかりしたキーボードがあるとイイな、と。

 iPadとキーボードを別体で持ち歩くのはメンドクサイので、高いけどスマートに一体化してちゃんと使える13インチiPad Pro(M4)用Magic Keyboardにしちゃえ~と思った次第。

 で、実際に使って見たらとても便利。想像以上に気に入れたので、今回はこのMagic Keyboardをレビューしてゆきたいッ!!!

フツーに実用的であり、超絶便利ポイントがあるMagic Keyboard

 iPadとMagic Keyboardは合体時の安定感が強い。マグネットでピタリと吸着し、ヒンジの角度が不意に変わったりもしにくい。Magic Keyboard自体が重め(660g前後)あり、机上での安定感があるので、指先やApple Pencilで画面をタップしても不安感が少ない。ただし、ヒンジ角度の自由度が少ないので、↓の写真のような画面角度の範囲で使うことになる。

画面の角度はこれが最も上を向いた状態。
画面が最も上を向いた状態から垂直までの間で画面角度を変えられる。ヒンジはこれ以上後方に傾かない。

 キーボードの打鍵感やキー配列は、MacBookとよく似ている。ストロークは短いものの、軽く小気味よいクリック感があり、入力の瞬間がよくわかる。個人的にはこのストロークの短さがあまり好きではないが、フツーに実用的なキーボードだと思う。

買ったMagic KeyboardはUS配列。キー間隔・サイズなどは、だいたいフルキーボードのそれと同じで快適に打鍵できる。トラックパッドも大きめで扱いやすい。

 淡々とレビューしている感じがするかもしれないが、iPadとMagic Keyboardを組み合わせての利用は非常に快適だ。iPad単体で文字入力する場合は音声入力かソフトウェアキーボード(オンスクリーンキーボード)入力となる。

 外出先ではソフトウェアキーボード入力になりがちだが、13インチiPad Pro(M4)の場合は片手で支えるにはかなり重い。なので単体だと机上にペタリと置いてソフトウェアキーボード入力となる。ちょっとタイプしにくい状態。

 じゃあ……ってコトでSmart Folio的なケースかタブレットスタンドかを使うことになる。それでもハードウェアキーボードを常用している俺の場合、あの「キー位置を目視しながらタイプする」ということにかなり違和感を感じる。

 みたいなことを含めて、ソフトウェアキーボードとMagic Keyboardの使用感を比べると、Magic Keyboardが1024倍くらい便利だ。それは言い過ぎ? 512倍? 控えめに言っても64倍、Magic Keyboardが快適だと感じられる。

 だってタッチタイピングできるんですものぉ~。ソフトウェアキーボードでも練習すればできるようになるかもしれないが、Magic Keyboardを使うといきなりタッチタイピングできるのがとてもいい。

 さらに、iPadと合体するんスよ~。ハードウェアキーボードとiPadが一体化。スッキリ!

 そして13インチiPad Pro(M4)はFace ID(顔認識)でロック解除可能。……どういうことか?

 ロック中のiPadにMagic Keyboardを装着している場合、Magic Keyboardの適当なキーを押すと、Face ID認識表示となりロックが解除される。続けてその適当なキーを押すと、iPadのホーム画面表示となる。

たとえばスペースキーを1度押し、0.5秒後くらいにもう一度押せば、iPadがロック解除されてホーム画面表になるという感覚。素早く5連打とかでもロック解除・ホーム画面表示となる。

 Magic Keyboardのキーを2回押しだけでiPadがロック解除・ホーム画面表示って凄くないスか? 画面の上スワイプすら要らない必要最小限感つよつよのスムースさ!

 iPadでタッチタイピングできるうえに、Face ID対応iPadならキー押下×2発だけでロック解除可能なMagic Keyboard。Magic Keyboard単体だと高い感じがするが、13インチiPad Pro (M4)とかと組み合わせると爆速ロック解除! こういうAppleエコシステム的なところに組み込まれるMagic Keyboardは「このくらい快適ならあの値段でもいいかな」とか思わされる。

iPad充電ステーション的に使っても便利

 Magic KeyboardにはUSB Type-Cポートがある。Magic KeyboardとiPadが合体した状態でそのUSB Type-Cポートに給電すると、iPadが充電されるというシクミ。

Magic Keyboardに向かって左側奥に、横向きのUSB Type-Cポートがある。iPadと合体状態でこのポートに給電すると、iPadが充電される。なお、Magic KeyboardはiPadを電源として動作するキーボードだ。

 iPadへのパススルー充電? 小さな要素だが、これがなかなか便利。iPadに充電用USB-Cケーブルをつながなくて済むからだ。充電時にUSB Type-Cケーブルをつなぎ、使うときや携帯時にUSB Type-Cケーブルを抜く、というステップがなくなるので、手軽&USB Type-Cポートの劣化が防げて気分がいい。

 とか書いちまってる俺だが、じつはこの機能を初めて使ったのはMagic Keyboardを買ってから一カ月くらい経ってから。そして初めてこの充電機能を使ったとき、iPadは全然充電されなかった。

 ん? なんで? ケーブルや充電器との相性?

 Apple純正充電器&ケーブルを使ったが……充電できず。そのほか手持ちの充電器+ケーブル、モバイルバッテリーなどなど、手持ちの充電系機材を使ったが、全然充電できない。

 ただ、iPadに直接給電すると充電できる。またパススルー的な充電はできないものの、Magic Keyboardのキーボードとしての機能は問題なく使える。

 なーるほど、じゃあMagic KeyboardのUSB Type-Cポートが故障? 初期不良?

 というわけで、Appleのサポートを受けた。「Apple の修理」というページから。修理依頼の手続きを進めていき、途中、対人チャットでサポート受けることになった。

 途中のやりとりは割愛するが、最後の確認で「このページにある方法を試してみてください」というメッセージが。速攻で試した。

 すると、あらま、充電できるようになった! 直った~!

 その方法はiPadの強制再起動! えぇぇ~、強制再起動だけ?

 普段、トラブルがあると速攻で端末を強制再起動する俺だが、Magic Keyboard経由で充電できない件、iPad側の問題だったのぉ~? その発想はなかったが、Magic KeyboardもiPad側で高度な管理がなされたりしていたのかもしれない。

概ね満足のMagic Keyboard、でも「汚れる」「開きにくい」「重い」

 iPadへのテキスト入力については、だいたい快適に使えているMagic Keyboard。トラックパッドでのテキストの挿入位置コントロール(キャレット/カーソルの移動)も快適。指やApple Pencilを使わずのテキスト操作が非常に快適になったほか、iPadの機能性がより高まったので概ね満足している。

 だが、少々の難点も感じた。

 ひとつはMagic Keyboardが汚れやすいこと。とくに外装にホコリが付着しまくり。なので、多くの人がやっている対策を。方法はMagic Keyboard外面に保護シートを貼るというもので、「Magic Keyboard 汚れ 防止」で検索するとすぐ見つかる方法だ。Geminiとかに「Magic Keyboardの外装の汚れを防止する方法は?」と訊いても教えてもらえる。

Magic Keyboardの外装に保護シートを貼っている。マット質感で汚れが付着しにくいシートで、ホコリの付着はほぼなくなったが、かわりに指紋が付きやすくなった。

 指紋と言えば、キートップにも指紋が付きやすい。まあMacBookもそうだし、指が直接触れるからしょうがないのかもしれない。

 もうひとつ、少々前述したが、閉じた状態から開きにくい。iPadとMagic Keyboardの間にあるごく僅かな隙間に爪を入れるようにするか、Magic Keyboard外装上側の僅かな出っ張りに指をかけるかしないと、開きにくい。

ごく僅かな隙間に爪を入れたり、Magic Keyboard外装上側の僅かな出っ張りに指をかけるなどしないと、開きにくい。

 そして重い。13インチMacBookみたいな感じの「軽くなさ」があったりする。まあノートPCを持ち歩く人なら「そんな重くないじゃん」って感触かもしれない。

 だが13インチiPad Pro(M4)の重さは600g弱。厚さは5.1mm。超薄で軽いけど中身はオオカミ的なイカシたタブレットなのだが、専用キーボードと合体させるとそういう魅力がガクンと落ちて寂しいニャ、と。

 とは言いつつも、iPad単体では享受できない利便をたっぷり味わえるMagic Keyboard。実用性がかなり高いので上記難点には目をつむってゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。