本日の一品

水鉄砲はペンより強し? 「OFFICE WEAPONS」と変態ガジェット礼賛、オフィスの平和は武器で守れ
2025年5月19日 00:00
あなたのオフィスには「武器」はありますか? といっても物騒な話ではなく、ジョークとユーモアでオフィスの空気をほぐす“合法的な”小道具のこと。そんな「OFFICE WEAPONS(オフィス・ウェポン)」という概念をご存じだろうか?
アメリカのDIY文化の聖地とも言える「OFFICE WEAPONS」では、ホッチキスで作るクロスボウや、定規を飛ばすバズーカ風装置など、オフィスで作れる“武器”の数々を紹介している。
これらをまとめた書籍「OFFICE WEAPONS」では、ちょっとしたイタズラ精神と技術の融合を楽しむ数々のガジェットが満載だ。
もちろん、コンプライアンスが重視される令和の職場では、実際に使うには細心の注意が必要だ。しかし、笑いや驚きを共有することで、場が和むのもまた事実。オフィスの人間関係に少しだけ“遊び”を持ち込む、そんな提案に満ちているのだ。
今回はその精神に共鳴しつつ、本書に登場はしないが、まさに「OFFICE WEAPON」と呼ぶにふさわしいガジェットをひとつご紹介したい。
その正体は……水鉄砲?!
その名も「水鉄砲ボールペン(Water Gun Pen)」。見た目は何の変哲もない、やや安っぽいノック式のボールペン。しかしその内部には、ごく小さな“水タンク”が仕込まれている。
ペンの上部、クリップの根元あたりにある小さな穴。そこがこのペンの“銃口”だ。ペンを普通に握り、上部をノックするとカシュッという感触とともに、そこから勢いよく水が発射される。狙いを定めて撃てば、隣の同僚の眼鏡に水滴を命中させることも(推奨はしない)。
ペン先から出るのではなく、クリップの根元から飛び出すという意表の突き方が絶妙で、攻撃を受けた側はなぜ濡れたのか一瞬わからずキョトンとする。発覚しにくさもこの“武器”の魅力のひとつだ。
内部タンクに入る水は、ほんのわずか。発射できるのはせいぜい2~3回ほど。それでも十分に「笑いの一撃」は加えられる。補充するにはネジ式の本体を分解して水を注ぐ必要がある。
しかもこのペン、実はちゃんと文字も書ける。ただしノックして芯を出すのではなく、軸の中ほどにあるスライドスイッチをペン先に向かって動かすことで芯を出す方式だ。お世辞にも滑らかな書き味とは言えず、リフィルの交換も不可。つまり、筆記具としての性能は“おまけ以下”。
あくまで水鉄砲が主、ボールペン機能は偽装用のカモフラージュだと考えるべきだろう。
このギミックのキモは、まさにその“しょうもなさ”にある。真剣に企画・設計されたであろう内部構造を見れば見るほど、「よくぞここまでくだらないことに技術を注ぎ込んだな」と感心してしまう。動画や分解写真を見れば、その造形美(?)が一層際立つはずだ。
節度あるバカバカしさのすすめ
さて、こうした“OFFICE WEAPON”の本質は、実は単なるイタズラやガジェットの奇抜さにあるのではない。オフィスという小宇宙のなかで、ふとした笑いを共有する装置……それこそが本当の目的ではないだろうか。
当然ながら、相手の気分や場の空気を読まずに発動するのはNG。濡らしてはいけない書類や機器の近くで使うのも厳禁だ。要するに“節度あるバカバカしさ”こそが、これらガジェットを使いこなすうえでの最重要スキルとテクニックなのである。
真顔で日々の業務に取り組む中に、少しだけ“脱力”できる瞬間を持ち込む。そんな意識を持つことこそが、今の時代に求められる“柔らかいチーム力”なのかもしれない。
あなたのデスクにも、ポケットにもたった1本だけで良い……ホワイトとオレンジのツートンカラーのペン型の“秘密兵器”を忍ばせてみてはどうだろうか?